27 猪名野笹原

東有岡5丁目、杜若寺の南東すぐ







東洋リノリュームの社内にあり、昔をしのぶ笹原の一部が残されています。


<説明プレートより>

猪名野笹原旧蹟

   有馬山 ゐなの笹原風吹けば
    いでそよ人を忘れやはする
        小倉百人一首 大貳三位

   しなが鳥 猪名野を来れば有馬山
    夕霧たちぬ 宿りはなくて
        万葉集 巻七

万葉の時代からこの地一帯は猪名野と呼ばれ 笹の原野が拡がり、風にそよぐ笹原の風情は古くから旅人の詩情をかもしていたとみえ、数多くの古歌が残されています。
その後、荒涼とした笹の原野が次第に開墾されでいく中で、一画の笹原が残され、人びとに猪名の笹原の旧蹟として伝えられてきたようで、正保二年(西暦1645年)頃の摂津国絵図の中にこの他が「いなの小笹」と記され、寛政十年(西暦1798年)頃の摂津名所図会には「猪名笹原」とあります。(図の左半分に小さく示されています)
今この庭にある笹は、学名ネザサと呼ばれ、植物学者室井 綽氏の御説により往時の笹を偲ぶよすがとして弊社が植付けたものです。
左側に植えられた笹は学名オカメザサと呼ばれるものです。有馬山の歌の笹をオカメザサとする学者もおられますので、御参考のため、併せて植えることにいたしました。
ところで、当地には明治二十四年から大正八年まで、綿糸に稲わら繊維を用い経糸に綿糸を用いた平敷織物である由多加織の工場がありましたが、現在ではこれを継承進展した東洋リノリューム株式会社が操業いたしております。
敷地の中には猪名の笹原に祭られていたお社を継承したといわれる笹原稲荷や(黄)金塚があり、弊社によって保存されています。

                平成元年12月1日 創業70周年記念日 造園

                           東洋リノリューム株式会社