64 石造地蔵菩薩立像

東有岡1丁目、JR「伊丹駅」東側すぐ





 この石仏は、昭和52年、旧国鉄福知山線複線電化の工事中に伊丹駅構内、地下約2メートルから出土したものである。
 花崗岩の板石を舟形光背様に整え、その面に地蔵菩薩立像を刻んでいる。頭光には薄肉円光背を負い、左手に宝珠、右手に錫枝を持ち浅鉢形の蓮華座の上に立つ。像体は比較的肉厚に刻出されているが、手・足首は細めでこれが全体として繊細な感じを与えている。
 尊顔は温和で、身にまとう地蔵独特の袈裟の表現は実に写実的である。錫枝頭はやや小さめであるが、輪形内部を飾る五輪塔形は完好な形を保っているなど、総合的にみて極めて丁重な造りであり、本地域における彫刻史上貴重な資料である。
 その造立者、造立年代など不明であるが様式からみて、南北朝時代後期の作と推定される。
(平成4年6月1日 伊丹市教育委員会設置の説明板より)