30 梶井基次郎
自筆日記
「禁烟日記」より

千僧3丁目
西善寺公園入口
バス停「桜ヶ丘8丁目」西へ


30 梶井基次郎 自筆日記「禁烟日記」より


五月六日
庭にはイチハツが盛りを過ぎ、平戸がさきはじめ、
薔薇は日光の下にその新しい芽をうな垂れている。
風は南西、よく伸びた南天の若葉をそよがせて、
部屋のなかへ吹き抜けて来る風を楽しんでゐると、
どこか気持ちのよい温泉へでも来てゐるやうな気がする。
かなめの垣がまた赤い芽を吹いている。

写真をクリックすると「ディジタル拓本」が表示されます。

梶井基次郎 (明治三四年(1901)~昭和七年(1931))

 五月六日
庭にはイチハツが盛りを過ぎ、平戸がさきはじめ、
薔薇は日光の下にその新しい芽をうな垂れている。
風は南西、よく伸びた南天の若葉をそよがせて、
部屋のなかへ吹き抜けて来る風を楽しんでゐると、
どこか気持ちのよい温泉へでも来てゐるやうな気がする。
かなめの垣がまた赤い芽を吹いている。

梶井基次郎(かじいもとじろう) (日記の一部)

五月六日
庭にはイチハツがさかりを過ぎ、ツツジがさきはじめ、
バラは日光の下にその新しいめをうなだれている。
風は南西、よく伸びた南天の若葉をそよがせて、
部屋のなかへ吹き抜けて来る風を楽しんでいると、
どこか気持ちのよい温泉へでも来ているような気がする。
かなめのかきねがまた赤いめをふいている。