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橋本香坡 自筆画賛
「自筆画賛」より
船原1丁目
伊丹小学校校庭東南
バス停「阪急伊丹」北へ
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未
巳
之
誤
乙
者
丁
之
訛
也
香
坡
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翠
館
酔
中
作
此
図
為
岡
田
兄
之
嘱
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乙
未
暮
春
將
西
遊
諸
君
開
餞
宴
於
遠
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汲
来
茶
鼎
烹
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一
半
青
山
影
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孤
艇
坐
新
晴
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松
窓
読
書
罷
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- 橋本香坡 (文化六年(1809)〜慶応元年(1865)) 伊丹明倫堂教頭
- 松窓 書を読み罷む
孤艇 新晴に坐す
一半 青山の影
汲み来たって茶鼎に烹る
乙未の暮春、將に西遊せんとし、諸君、餞の宴を遠翠館に開く。酔中此の図を作る。岡田兄の嘱の為なり。
未は巳の誤、乙は丁の訛なり
窓のそばに松の木の生えた書斎での読書を終え、晴れ上がったばかりの湖に一そうの小舟を漕ぎ出して浮かべる。
湖の半ば近くまで、黒々として山の姿が映っている。その水を汲んで茶釜で茶を煮て楽しむことだ。
乙未の歳の暮春、西遊の旅に出ようとすると、みんなが遠翠館で送別の宴を開いてくれた。酔っぱらった状態の中で、この図を作った。岡田兄の委嘱によったものである。
「未」は「巳」の誤り、「乙」は「丁」の間違いである。
- はしもとこうは (伊丹をはなれるときの歌)
- 窓のそばに松の木があるへやでの読書を終え、晴れ上がったばかりのみずうみに一そうの小舟をこぎ出してうかべました。
みずうみの半分くらいまで、黒々とした山のすがたがうつっている。その水をくんでお茶わかして楽しみます。
きのとひつじの年の春の夕ぐれ、西への旅に出ようとすると、みんながえんすいかんで送別会を開いてくれました。よっぱらっている中で、この図を作りました。岡田の兄さんからたのまれたためです。
「未」は「巳」のまちがいです、「乙」は「丁」のまちがいです。
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