
伊丹の酒
伊丹は、清酒発祥の地との伝承があります。
伊丹の北部、鴻池村に山中鹿之助の長男 新六幸元が遠縁を頼って住みつき、酒作りを始めました。最初は濁り酒を造っていましたが、慶長5年(1600)に双白澄酒(もろはくすみざけ=清酒)の醸造に成功したことが、後の伊丹の酒の隆盛に繋がりました。
当時濁り酒が主流を占めた日本酒の中に、透明な清酒が登場して、特に需要の多い江戸に運んだところ、大歓迎されて巨万の富を築いたと言われています。
鴻池村にちなんで鴻池姓を名乗った新六は、後に大坂に出て鴻池家の始祖となりました。
鴻池新六の居宅跡に、「鴻池稲荷祠碑」があり、清酒発祥の地が記されている。
さらに近年、鴻池地区に、清酒発祥の地を示す記念碑と小公園が整備されています。


その後、江戸には樽廻船で運ぶという一大流通革命と、杉樽の香りのする芳醇馥郁たる辛口の伊丹の酒は、丹醸、伊丹諸白と呼ばれ珍重されたことと将軍家の御膳酒となり、伊丹郷町の江戸積酒造業の隆盛を極めた要因だったのでしょう。
また、伊丹が極上酒の清酒の量産にも対応できたことも、一因と言えるでしょう。
しかし、生一本の灘五郷の台頭で、伊丹の酒は衰退の道を辿りましたが、現在は全国ブランドの白雪と大手柄、老松を数えるだけになりました。
伊丹の酒の歴史は、「旧岡田家酒蔵」と「長寿蔵(ブルーワリミュージアム)」も併せて見学するとよいでしょう。
参考にした資料:
伊丹市立博物館「新・伊丹史話」
小西酒造「伊丹歴史探訪」
安達文昭著「伊丹ウオッチング」
安達文昭さん(郷土史研究家)にお聞きした話
など。
